毎月の返済以外に必要となる「住まいの出費」

マイホームを買うことで発生する出費は住宅ローンだけではありません。

固定資産税

マンションと一戸建て住宅の所有者には固定資産税や都市計画税が課税されます。固定資産税は土地・建物の不動産評価額から算出される地方税です。建物に関しては耐用年数によって金額が変わります。

耐用年数は木造一戸建てで22年、鉄筋コンクリート造のマンションで47年として評価されるため、マンションでは長期にわたって固定資産税が高い状態が続きます。

管理費と修繕積立金

マンションを購入すると、通常管理費と修繕積立金が毎月発生します。管理費は共有部分の電気代や修理費、清掃費用などに当てられるもので、修繕積立金は将来の大規模修繕に備えるための貯金です。

駐車場代

駐車場代はマンションならではの出費です。マンションの駐車場を借りられる場合もありますが、自分で駐車場を探さなくてはならない場合も少なくありません。

修繕費

住宅は年数の経過に伴い、壁や水回りなど修理が必要になる部分も出てきます。とくに一戸建ての屋根や外壁の塗装は約10年周期ともいわれており、30代でマイホームを買った場合なら40代頃にまとまった修繕費やリフォーム代がかかってくる可能性があります。

総務省統計局の「家計消費状況調査年報(二人以上の世帯)2019年」から1世帯当たり1カ月間の住宅維持関連費を紹介します。

  • 家屋に関する設備費・工事費・修理費・・・7,953円
  • 給排水関係工事費・・・2,162円
  • 庭・植木の手入れ代・・・521円

返済と並行して毎月1万円程度を目安に修繕やリフォーム用の資金を積み立てていく必要があるかもしれませんね。

40~50代は子どもの進学で教育資金がピークになる時期です。とくに大学進学には多額のお金がかかるため、子ども自身の希望も考慮しながら前もって学費を工面する方法を考えておきましょう。

老後資金も視野に入れて!

住宅ローンは定年になる前に完済することが望ましいといえますが、冒頭で紹介した総務省の資料によると60代や70代で住宅ローンを完済していない人も一定数いるようです。退職金で住宅ローンを一括返済するのもひとつの方法ですが、老後資金が不足する可能性についても考慮する必要があるでしょう。

購入時にはベストだと思っていた物件、返済の方法でも、長い人生のなかで見直しが必要になることもあります。住宅ローンで失敗しないためには、ローンの負担や教育費、老後の資金などのライフプランも考慮して無理のない返済計画を立てることがポイントになりそうです。

【参考】
令和元年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」国土交通省住宅局
家計調査(貯蓄・負債編)二人以上世帯(2019年)表8-5」総務省
住宅ローン減税制度の概要 すまい給付金」国土交通省
家計消費状況調査年報(二人以上の世帯)2019年」総務省統計局

LIMO編集部