50代は定年が近づいてきているので、老後資金をどうするかを真剣に考える世代です。
そして、定年時にまとまった資金が入る退職金をどのように運用しようかと迷っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、元証券マンの視点から50代で考える退職金の運用方法について解説します。
退職金はどの程度もらえる?
企業に勤めている人は、実際に退職金をどの程度もらえるのでしょうか。
厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査結果の概況 退職給付一時年金の支給実態」によると、退職事由別の退職金額は以下のようになっています(勤続20年以上かつ45歳以上の退職者)。
大学・大学院卒(管理・事務・技術職)
- 定年:1983万円
- 会社都合:2156万円
- 自己都合:1519万円
- 早期優遇:2326万円
高校卒(管理・事務・技術職)
- 定年:1618万円
- 会社都合:1969万円
- 自己都合:1079万円
- 早期優遇:2094万円
高校卒(現業職)
- 定年:1159万円
- 会社都合:1118万円
- 自己都合:686万円
- 早期優遇:1459万円
高校卒よりも、大学卒の方が退職金は多い傾向にあります。
2019年は「老後2000万円問題」が注目されました。
これはモデルとなる高齢夫婦無職世帯夫(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の収入と支出を見ると、毎月約5万円の赤字になり、老後を30年と考えると約2000万円を貯蓄などで賄わなければいけないという内容です。
しかし、大学・大学卒の退職金は2000万円近くあるので、住宅ローンが大きく残っていなければ、老後資金に過剰な心配をする必要はありません。
退職金のない会社もある
しかし、すべての人が退職金をもらえるわけではありません。退職給付制度がある企業の割合は80.5%となっていて、約20%の企業は退職金がないことになります。
企業規模別で退職給付制度のない企業を見てみると、以下の通りです。
従業員数
- 1000人以上:7.7%
- 300~999人:8.2%
- 100~299人:15.1%
- 30~99人:22.4%
企業規模が小さくなるほど退職給付制度がない企業の割合は増えています。従業員への退職金は法律で義務づけられているわけではありませんから退職金がなくても違法ではないのです。
ですから、自分の会社に退職給付制度があるかどうかを事前に確認しておき、退職金がない場合は、自分で老後資金を用意しておく必要があります。
50代から資産運用を始めておく
退職金制度がある会社に勤めている大学・大学院卒の人は、2000万円近くのお金が手に入るので、「退職して時間ができてから資産運用を始めればいいのでは」と考えているかも知れません。
しかし、投資初心者が2000万円という大きな金額を運用するのは困難です。
一括投資をしてしまうと、日々の株式市場の動きに一喜一憂してしまい、安心した老後を過ごせなくなってしまいます。
また、2008年のリーマンショックや2020年のコロナショックのように、大きな暴落に巻き込まれる可能性もあります。大きな暴落が起こっても数年たてば元に戻る可能性は大きいものの、投資初心者が数百万円単位の損失を抱えては、冷静でいることは出来ないでしょう。
日本人の寿命は延びているのは周知の事実ですが、厚生労働省によると、2019年の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳となり、「人生100年時代」という声も多く聞くようになりました。
50代からの資産運用で気をつけることは、毎月少額で積立投資を始め、退職金が手に入ったら毎月の積立金額を多くするというような安全な運用をオススメします。
人生100年と考えれば、50代でもまだ人生半ばです。長期投資で少しずつお金を増やしていくという意識を持つようにしましょう。
まとめにかえて
退職金が入ってから運用を始めても、うまくいくとは限りません。
50代から少額からでも資産運用を始めておき、退職金が入れば資金を増やし、継続的に運用を続けるようにしましょう。また、人生100年時代を考え、長期での運用を心掛けてください。
