私的年金イデコを始めるなら

イデコは「自分で拠出」したお金を「自分で運用」して資産形成をしていく私的年金制度です。自分で選んだ運用商品で掛け金を運用しますので、どの商品で運用するかで将来受け取る金額は大きく変わる可能性があります。

周りから勧められたり税金がお得になると聞いたりして興味を持たれている方も多いのではないかと思いますが、選べる運用商品は「元本確保商品」と「投資信託」の2つにおおきく分類されます。

元本保証商品の代表的な商品には定期預金や保険商品があります。

イデコの制度を使って運用をしたいという方は概ね投資信託を選択されると思いますが、選ぶ投資信託により性格が様々ですので、手数料のみではなく期待するリターン・許容できるリスク幅・運用会社の歴史や方針等、総合的な観点から自分にあったものを選ぶのがポイントです。

イデコの最大のメリットは「掛け金の全額所得控除」「運用益非課税」「受け取り時に公的年金等控除または退職所得控除」の3つの税制があることです。なかなか節税できない会社員の方にとって掛け金の所得控除が使えるのは嬉しいポイントですね。

ただ、受け取り時に退職所得控除が使えると聞いて全額非課税で受け取れると思われる方も多いのですが、勤続年数等により退職所得控除の金額は人によって異なります。
運用資産が控除額以上になっていたり、会社からの退職金で控除枠を使い切っていたりする場合は税金がかかることがあります。

ちなみに、年金制度のため拠出したお金は原則60歳以降まで引き出すことができません。
今回のコロナショック等の有事に急にお金が必要になっても原則60歳になるまでは引き出すことができませんのでその点は十分に検討してから始める事をおすすめします。

まとめにかえて

イデコは任意で加入する私的年金制度のため基本的に20歳以上60歳未満の全ての方が加入できますが、企業型確定拠出年金に加入している方は企業型年金規約でイデコに同時加入できる旨を定めている場合のみ加入できますので、興味がある方は勤め先に確認してみましょう。

これはイデコに限った話しではありませんが、「どの商品を選ぶか」「選んだ運用方法は自分の目的にあったものか」は投資を行う上で重要なポイントですので、何から手を付けていいか分からないという方は専門家に相談してみることも検討しておくと良いでしょう。

参考資料

尾崎 絵実