7月から4カ月連続の増加、ついに1~10月累計でも増加に転じる

しかしながら、今年は11年ぶりの増加に転じる可能性が高まってきたと言わざるを得ません。毎月の自殺者数で見ると、7月に対前年同月比で増加に転じて以降、10月まで4カ月連続の増加となり、ついに1~10月累計ベースでも増加に転じてしまいました。

また、今回は増加率の大きさが特徴です。7月はまだ+3%増でしたが、8月が+18%増、9月が+10%増、そして10月は+40%増の大幅増加でした(対前年同月比、小数点以下四捨五入。以下同)。単月だけならば、特殊要因(前年が異常値など)で片付けることもできますが、これは明らかに増加トレンドに入ったと考えるのが妥当です。

そして、今回の自殺者増加の最大要因が、一連のコロナ禍による影響(直接・間接含む)であることは容易に推察ができましょう。

女性が大幅増加、10月は前年比8割超の増加に

そして、今回の自殺者増加における最大の特徴は、女性の自殺者増加です。

女性の増加率だけを見ると、既に6月から増加(+3%増)に転じており、7月が+17%増、8月が+42%増、9月が+28%増、10月は何と+83%増でした。男性に比べて絶対数が少ないため、増減率が大きくなりやすい点を考慮する必要はありますが、それを割り引いても、女性の自殺者の増加が顕著です。

事実、全体の3割程度だった女性の割合は、10月は約4割に達しており、変化率がブレやすいという理由では説明できなくなりました。

なぜ女性の自殺者が急増したのでしょうか?