なお、自殺者に占める男女比ですが、その年で若干バラツキはありますが、ザックリ言うと、男性7割、女性3割となっています。

自殺の理由は「健康問題」がトップ、10代を中心とした若年層の増加が顕著

自殺の理由ですが、厚労省の調査結果によれば、2019年実績ベースでは「健康問題」が約49%で断トツの1位、「経済・生活問題」が約17%、「家庭問題」が約15%、「勤務問題」が約10%、「男女問題」が約4%、「学校問題」が約2%となっています。

「経済・生活問題」が低下傾向にある一方、「学校問題」と「家庭問題」の比率は上昇傾向にあるのが特徴です。

なお、自殺者数が減少を続けたこの10年間における大きな特徴として、相対的に若年層が増加したこと、とりわけ、10代(10~19歳)が絶対数でも増加し続けていることが挙げられます。決して年齢で判断するつもりはありませんが、未来ある若年層が自ら命を絶つというのは非常に残念なことです。

直近10年間で自殺者数は年間約1万3千人も減少してきたが…

過去最少レベルとはいえ、いまだに年間約2万人もの自殺者が出ていることは厳粛に受け止める必要がありましょう。これは先進国でもかなり高い水準にあります。

しかし、自殺防止への様々な取り組みや、景況感改善等により、直近10年間で▲13,000人弱減少したことが良いニュースであることは間違いありません(2009年:32,845人→2019年:20,169人へ)。特に、有効求人倍率の大幅好転が示すように雇用環境が改善した2013年以降の減少ペースは目を見張るものがあります。

本来なら、今年2020年は、この減少ペースが続いて、初の20,000人割れが達成できるはずだったと考えられます。