総務省が2020年10月30日に公表した「労働力調査(基本集計)2020年(令和2年)9月分結果」によれば、65歳以上の就業者数は2009年で565万人に対し、2020年9月は928万人となっています。
全体の就業者数で見ると2009年は6724万人に対し、2020年9月には6689万人と総数は減っているにも関わらず、65歳以上の就業者数はこの10年あまりで363万人増え、定年を迎えても働いている方が多いことが分かります。
人生100年時代と言われる今、いつから何歳からが老後なのかは益々個人差が顕著になりそうです。
ただひとつの区切りとしては定年を迎える60代で老後を意識する方が多いのではないかと思います。
私はFP(ファイナンシャル・プラニング技能士)の資格を持つファイナンシャルアドバイザーとして、数々のマネーセミナーで登壇し、多くのお金の悩みを持つお客様と向き合ってきました。私自身、フリーランス経験が長く、自分が好きなことに専念するためには、お金の問題を理解し、解決していかなければならないことを十分理解しています。
今回はファイナンシャルアドバイザーとしての視点から、長い老後に向けて老後資金をなるべく減らさないような資産運用方法をご紹介します。
50代の年収と60代の年収、貯蓄の格差はどこまであるのか
一般的には年収のピークは50代となり、60代以降は下がっていくといわれています。
一度上げた生活水準をあげるのは難しいことですから、現役時代から節約して過ごすか、老後も働くなどで生活水準を維持するかのどちらかになってしまいます。
では具体的に今の50代60代で年収や貯蓄にどのような差が出ているか確認してみましょう。
総務省の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2019年(令和元年)平均結果-(二人以上の世帯)」では50代と60代の年収、貯蓄は下記のようになっています。
50代
二人以上世帯
- 平均年間収入:852万円
- 平均貯蓄額:1704万円
二人以上世帯のうち勤労者世帯
- 平均年間収入:870万円
- 平均貯蓄額:1728万円