これまでお葬式といえば、故人と関係のある人が参加する一般葬が基本でした。しかし、ライフスタイルの変化や価値観の多様化、さらに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、お葬式のかたちも変化しています。そこで今回は、家族葬、直葬などといった新時代を代表する葬儀や、コロナ時代の「ニューノーマル」に対応したお葬式をご紹介していきます。

親しい人だけでおくる家族葬

家族葬とは親族や、故人とごく親しかった人だけで執り行う葬儀のことです。

基本的な葬儀の流れは、通夜を行った翌日に葬儀・告別式と火葬というように一般葬と同じです。身内だけで葬儀を執り行えることから、マナーや宗教的なこだわりを気にせず、比較的自由な内容で故人の希望になどに沿った葬儀ができます。

また、家族葬は10名程度の少人数で行うことが多いので、一般葬に比べて費用が抑えられるというメリットもあります。一般葬に比べて、準備や参列者への対応などに追われることもないので、遺族の負担も少なく、親しい人だけでゆっくりと故人と最期の時間を過ごせます。

鎌倉新書が、2020年6月に公表した「お葬式に関する全国調査」の結果によると、2020年に執り行われた葬儀のうち、家族葬の占める割合は40.9%でした。2015年の同調査で31.3%、2017年が37.9%だったことからも家族葬が年々増えていることは明確。少子高齢化や核家族化の進行に加え、感染症対策という社会背景からも、この割合は今後も増加すると予想されます。