バイデン政権は財政赤字を放置するか? MMT理論の危険性

筆者は、日本の財政は破綻しないと考えているので、景気を危うくしてまで緊縮財政を焦るべきではない、という点ではMMTと似ています。

しかし、それでも無理なく緊縮財政ができるなら、そうすべきだと思います。財政赤字が大きいと、インフレになった時にそれを加速するリスクがあるからです。

具体的には、10年後に少子高齢化で労働力不足が深刻化してからの増税は、失業を増やさないので、積極的に実施すべきだと考えています。その点については拙稿『増税は10年後に!「巨額赤字で財政は破綻する」が誤りである理由』をご参照いただければ幸いです。

MMTはインフレを起こす発火装置ではなく加速させる燃料

超金融緩和時の財政赤字というのは、大胆に単純化して言えば、政府が日銀から借金をして財政支出を行なうことですから、人々が大量の紙幣を持つことになります。もっとも、人々がインフレ懸念を持たなければ、その紙幣は老後のための貯蓄として銀行に預けられるだけで、インフレにはなりません。それが現状です。

ところが、人々がインフレを予想するようになると、「値上がりする前に買おう」という「買い急ぎ」の動きが出てきます。

財政支出を増税で賄っている場合には、人々がそれほど金を持っていないので、買い急ぎをしたくても少ししかできませんが、MMTの場合には人々が大量の金を持っていますから、大量の買い急ぎが出てきて大幅なインフレになりかねないのです。現金で持っていない場合でも預金を引き出せば良いので、同じことです。

参考記事

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塚崎 公義

1981年 東京大学法学部卒業、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行
おもに経済調査関連業務に従事した後、2005年に退職し、久留米大学へ。
現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先と関係なく個人として行なっているため、現職は経済評論家と表記したものである。
(近著)
なんだ、そうなのか! 経済入門
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(雑誌寄稿等)
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