バイデン政権は財政赤字を放置するか? MMT理論の危険性

日本でもインフレのリスクあり

日本は世界の中でインフレが起きにくい国ですが、それでもインフレのリスクはあります。一つは少子高齢化による労働力不足によって賃金が上がり、インフレになる場合であり、もう一つは南海トラフ大地震等によるインフレです。

新型コロナ前には、すでにわずかですが物価は上がっていましたから、新型コロナ不況が終われば、ふたたび少子高齢化による労働力不足で賃金が上がり、インフレになる可能性は十分にあるでしょう。これがある時「買い急ぎ」を誘発する可能性は否定できないでしょう。

南海トラフ大地震の可能性も決して小さくないと言われていますが、その場合には復興資材の値段が10倍以上になると思われます。そんな時に人々が大量の資金を持っていたら、買い急ぎが殺到してインフレが一気に加速してしまいかねません。

海外でのMMTは海外は日本以上に危険

上記のように、日本に於いてもMMTは危険ですが、海外に於いてはさらに危険です。そもそもインフレ率が日本より高い国が多いですし、人々の行動も異なる可能性があるからです。

日本人は慎重なので、インフレになった時に「老後のための貯金が目減りしてしまったから倹約して貯金しなければ」と考える一方で、海外の人は「インフレなら買い急ぎしなければ」と考える可能性があるわけです。

こうしたことを考えると、海外でのMMTは危険ですから避けるべきでしょうが、本稿が特に問題とするのは基軸通貨国である米国のMMTです。

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塚崎 公義

1981年 東京大学法学部卒業、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行
おもに経済調査関連業務に従事した後、2005年に退職し、久留米大学へ。
現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先と関係なく個人として行なっているため、現職は経済評論家と表記したものである。
(近著)
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(雑誌寄稿等)
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