ヤングケアラー「介護を担うこどもたち」

7割が小中学生という現実。

皆さんは、「介護をしている人」と聞くと、どんな人をイメージしますか?

多くの人は、40代~60代くらいの人を想像するのではないでしょうか。どんなに若くても30代くらいの人を思い浮かべるはずです。

ところが、世の中には何らかの事情により、未成年のうちから介護を担わざるを得ない子どもが存在するのです。そのような子どもを「ヤングケアラー」と呼びます。

本記事では、世間ではあまり知られていない「ヤングケアラー」の存在に着目し、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(厚生労働省委託調査)が2019年に公表した「ヤングケアラーの実態に関する調査研究の報告書」をもとに、現状や子どもが抱える問題、今後の課題などを解説していきます。

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そもそも「ヤングケアラー」って?

ヤングケアラーとは、厚生労働省によると「年齢や成長の度合いに見合わない重い責任や負担を負って、本来、大人が担うような家族の介護や世話をすることで、自らの育ちや教育に影響を及ぼしている、18歳未満の子ども」を指すとしています。(

ヤングケアラー「小学生も約3割」

次に、ヤングケアラーたちの属性を詳しく見ていきます。

〈性別〉
男性:38.7%
女性:61.0%

「男性」よりも、「女性」の方が約22%多い結果となりました。

〈年齢(学年)〉
1位:中学生…43.2%
2位:小学生…33.2%
3位:高校生…15.6%

「中学生」が40%以上の結果となり、3位の「高校生」と比較すると27.6%もの差があることがわかりました。また、就学前(6歳以下)という幼さで介護を担う子どもも1.3%と、少なからず存在することが判明しました。

〈家族構成〉
1位:ひとり親と子ども 48.6%
2位:夫婦・パートナーと子ども 36.8%
3位:その他 13.1%

「ひとり親と子ども」が最も多く、きょうだいの有無に関しては、きょうだいがいる家庭が92.7%と大半を占めていることがわかりました。

また、介護を担っている子どもが、きょうだいの中で「1番目」「2番目」である割合が高く、長女や長男に負担がかかっていることが多いようです。

誰のケアをしているの?その理由は?

次に、ケアの対象者と、ケアを行うことになった理由をみていきます。

ケアの対象者

1位:きょうだい…72.6%
2位:母親…46.9%
3位:父親…12.5%

「きょうだい」のケアをしている子どもが圧倒的に多いことがわかりました。
しかし、家族構成でみてみると「ひとり親と子ども」の世帯では、ケアの対象者が「母親」である割合が高く、半数を超えています。「三世代」の世帯では、ケアの対象者が「父親」「祖母」である割合が高いようです。

ケアをすることになった理由

1位:年下のきょうだいがいるため…58.8%
2位:ひとり親家庭であるため…42.5%
3位:親が家事をしない状況のため…38.7%

「年下のきょうだいがいるため」が最も多く、2位の「ひとり親家庭であるため」や、「親が仕事で、家族のケアに充分に携われないため」(31.9%)と回答した人と合わせると、親の代わりとなってきょうだいや家族のケアをしていると考えられるでしょう。

また、「親が家事をしない状況のため」「親の病気・障がい・精神疾患や入院のため」という回答も多く、複雑な家庭環境に置かれている子どもが多いことも判明しました。

ヤングケアラーたちは、毎日どんなことをしているの?

では、ヤングケアラーたちが日頃行っている主なケアについてみていきます。

1位:きょうだいのケア…83.8%
2位:食事の世話…66.3%
  (買い物、食事作り、食事介助など)
3位:家の中の家事…58.8%
  (掃除、洗濯、細かい家事など)

ケア内容でもやはり、きょうだいに関することが多いとわかりました。「食事の世話」や「家の中の家事」など、大人が担うような内容をおこなっている子どもも多く、家族構成や家庭環境などが大きく関わっていると考えられます。

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介護福祉士・福祉住環境コーディネーター2級・福祉用具専門相談員の資格を保有。


特別養護老人ホームでの介護職や、福祉用具レンタル会社での住宅改修業務を経験し、現在はwebライターとして活動中。

介護職時代のリアルな実体験や、細かな介護方法、介護リフォームなどの知識を、分かりやすく発信していきます。