「ヤングケアラー」たちを支援につなげるために
ここで、ヤングケアラーたちのサポートを行っている、主な支援団体をご紹介していきます。
① 精神疾患の親をもつ子どもの会 こどもぴあ
精神障がい者家族会の全国組織(公益社団法人 全国精神保健福祉連合会:みんなねっとhttps://seishinhoken.jp/)と連携した活動をおこなっているのが特徴です。
東京を本拠地とし、大阪、福岡、札幌にも広がっています。
東京では3か月に1度のペースで「つどい」という会を開催し、精神障がい者の親をもつ子どもの立場に限定し、5~6名の小グループの中で、自身の体験を語ります。
初めて親のことを話せたという子どもがほとんどであり、「つどい」の意義は大きいといえるでしょう。
②NPO法人ぷるすあるは
「精神障がいや心の不調などがある親をもつ子どものケア」をテーマに絵本やイラストブック、ウェブサイトでの情報を提供する間接支援を実施しています。
2017年からは、研究者と協働したチームで、学齢期の子どもへの支援を考えるための、養護教諭等を対象としたワークショップの開催、調査結果にもとづく情報発信をおこなっています。
③NPO法人しぶたね
病気や障がいのある子どものきょうだいへの直接的な支援として、ワークショップの開催などをしています。
ワークショップでは、普段大人のように振る舞っているきょうだいたちが、思い切り楽しめる場所を提供するとともに、同じ立場の仲間と交流したり、親子で触れ合う時間などを作ったりしています。
さいごに
「ヤングケアラー」は世間的にも知名度が低いうえ、自治体などの認知度も低いのが現状です。
そのため、障がいを持つ親やきょうだいへの介護・看護サービス等の支援はあっても、「ヤングケアラー」自体への支援体制は整っているとは言い難い状況にあります。
親やきょうだいのケアは学校生活などにも大きな影響を及ぼすため、早急な対応や支援が必要となります。まずは、皆さんに「ヤングケアラー」という言葉や存在を知っていただくきっかけとなればと思います。
【参考】
(※)「要保護児童対策地域協議会におけるヤングケアラーへの対応について」厚生労働省子ども家庭局家庭福祉課長
「ヤングケアラーの実態に関する調査研究の報告書」三菱UFJリサーチ&コンサルティング
こどもぴあ
NPO法人ぷるすあるは
NPO法人しぶたね
鈴木 咲季