2025年6月26日、文部科学省は私立大学に対し、入学料の金額抑制や、進学しない場合の負担軽減策を講じるよう求める通知を出しました。背景には、併願校が増えた影響で複数の大学に入学料を支払うケースが多くなり、学生や保護者の経済的負担が問題視されてきた経緯があります。通知では、納付時期の分散や猶予、辞退時期に応じた配慮など、多面的な対応の検討が求められています。
今回は私立大学の費用の実態に加え、子どもや孫に教育資金を渡すときに使える教育資金一括贈与の非課税制度について解説します。
1. 「私立大学の費用はいくら?」初年度だけで147万円超も!
文部科学省が2023年12月26日に公開した「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」の概要をみていきましょう。
初年度学生納付金の調査結果概要を要約すると、以下のポイントがあげられます。
- 私立大学初年度納付金の総計は147万7339円と高額
- 私立短期大学や専門学校でも100万円超
- 施設整備費や実習費など“授業料以外”の支出も合計すると高額
進学時の「一括支出」は家計にとって大きな負担になります。高額になりがちな大学費用など祖父母から贈与を受ける人も中にはいるでしょう。そんな教育費のために「想いある贈り物」である贈与を受ける際に使えるお得な制度があります。次に詳しくみていきましょう。