2019年6月、「令和」に元号が変わってしばらくのタイミングで金融庁が公表したのが金融審議会の市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」。いわゆる「老後2,000万円問題」です。

このレポートでモデルとなっている高齢夫婦世帯は、夫がサラリーマン、妻が専業主婦だったという世帯です。老後の必要生活資金2,000万円は、このような夫婦の年金収入を元に計算されています。

しかし、平成元年に45.7%だった共働き世帯は、令和元年には68.4%まで増加しました。現在では夫婦の働き方も多様化しており、共働き世帯の方が多くなっています。

そこで今回は、夫婦共働きの世帯の厚生年金、国民年金の受給金額から、老後の必要資金をみていきたいと思います。

厚生年金と国民年金、夫婦共働き世帯でいくらか?

それでは早速、厚生年金と国民の夫婦共働きの世帯の受給額をみていきたいと思います。

厚生労働省公表の「平成30年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の男女別平均年金月額は以下のとおりです。

厚生年金保険の平均年金月額

  • 男性:163,840円
  • 女性:102,558円

国民年金の平均年金月額

  • 男性:58,775円
  • 女性:53,342円

これにより、夫婦共に厚生年金受給者の世帯の平均年金月額は男性の平均年金月額163,840円と女性の平均年金月額を加算した金額266,398円であることが分かります。