これが老後2,000万円問題のモデルケースとなると、男性の厚生年金平均月額163,840円と女性の国民年金平均月額53,342円を加算した217,182円となります。
さらに老後2,000万円問題では、モデルとなる高齢夫婦世帯の毎月の支出額を約26万円で計算していますので、サラリーマンと専業主婦のモデル世帯では毎月の生活費が5万円程度の赤字となりますが、夫婦共働きならなんとかまかなえそうです。
老後の必要資金は生活費だけではない!?
夫婦共働き世帯なら、贅沢をしなければ老後の生活はなんとかまかなえそうなことが分かりました。
しかし、ここで注意すべきことは、老後の必要資金は生活費だけではないということです。
老後の必要資金その1:老後の住居費用
先の老後2,000万円問題に、考慮されていない資金の1つが老後の住居費用です。
現在すでに老後を迎えている60歳以上の世帯は、実は8割を超える世帯が自分の持ち家に住んでいます。
しかし、今はたらく世代の私たちはどうでしょうか。持ち家を買うべきか、賃貸に住み続けるべきかという問題は、今でもネット上で熱い議論が交わされている議題の1つです。
すなわち、この問題に万人に共通の回答はないと言えます。一般的に持ち家派は働いている内に住宅ローンを組んで住宅を購入します。そして老後はその住宅にそのまま住み続けるでしょう。
しかし、賃貸派はその住居費用負担が老後にも継続します。そのため、老後も身軽な賃貸がいい、という世帯は、老後も住居費用を払い続けられるだけの貯蓄を働いている内に確保する必要があります。