結婚前と結婚後、男女の「家事時間」はどう変わる?
さて、ここでちょっと算数の問題です。
「Aの蛇口だけだと、浴槽をいっぱいにするのに15分かかり、Bの蛇口だけだと20分かかる。
ではAとBの蛇口両方を使ったら、浴槽は何分でいっぱいになるでしょうか?」
答えは、「8分ちょっと」ですね。
当然「Aだけ」、「Bだけ」の時より早いわけです。
でも、なぜか結婚後の「家事シェア」、この蛇口のようにはいかないのですよね。それぞれに家事をしていた2人が一緒に住むようになった「夫婦のみ世帯」でも、合計2時間44分。独身時代に各自で家事をしていたときの合計時間2時間10分より、なぜか時間が伸びています。
自分一人の気ままな生活と、お互いへの気遣いがある程度必要となる夫婦での生活が、単純に比較対象になるのかはさておき…。
前述の報告書では、
「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という、いわゆる性別役割分担の考え方について、「反対」と「どちらかというと反対」を合わせた回答が男性の約55.6%、女性の約63.4%を占めており増加傾向にある。
と報告されています。ただ、筆者の周囲をみても、妻が家事や育児のために自分自身の生活バランスを大きく変えて、家族のライフステージの変化に対応しているというのが現状といった感があります。
所帯持ちになると、夫のほうは、収入アップを目指して仕事に邁進。その分妻の負担が増える、というパターンは多く見聞きします。共働きの場合も、妻の側が勤務時間を調整するなどして育児や家事を行う、といった家庭は多いように思えます。