別居中の生活費用:すぐには「婚姻費用」が受け取れない場合も
いざ離婚となると、まずは別居です。DVの場合はシェルターの利用も可能ですが、筆者の場合は事情があって別居を選択。しかし別居にも「アパートを借りるためのまとまったお金+毎月家賃を払い生活していくお金」を用意する必要がありました。
当時の家計は厳しく、貯金はゼロ。一時親戚の家に移り、パートの勤務時間を増やして日々のお金を切り詰め、最低限の費用を貯めて別居を始めました。
別居にあたり、妻は夫から「婚姻費用(別居中の生活費や養育費)」をもらう権利があります。しかし暴言や暴力を振るう相手が婚姻費用をくれるとは限らず、筆者ももらえませんでした。その後、婚姻費用調停を開始。調停をしても実際に婚姻費用がもらえるまでには時間がかかり、それまではパート代で家賃を払い、生活していました。
他にも「児童扶養手当制度」がありますが、基本的には離婚しないと支給されません(ただしDVの場合は条件により支給される自治体もあります)。
「児童手当」も、いくつかの条件を経て夫から妻へ変更するもの。さまざまな機関に相談しながら、「もし妊娠中や乳児を育てながらの別居だったら、今よりはるかにハードルが高かったかもしれない」という思いが頭をよぎりました。
貯金がなく、実家にも頼れない女性の2つの選択肢
実際に経験してみて、すぐに婚姻費用がもらえない場合は「1人で生活できる収入がある」「まとまった貯金がある」「実家に頼れる」のいずれかでなければ、モラハラやDVが理由であっても別居後の生活は厳しいと分かりました(もちろんシェルターという選択肢もあり優先的に考えるべきです)。