「人生100年時代」といわれ、厚生労働省の令和元年簡易生命表によると平均寿命は過去最高を更新しており、男性は81.41年、女性は87.45年となっています。
また年金の受給年齢は65歳からとなり、60歳で定年を迎えても働き続けることが当たり前となりつつあります。
老後をいくつからと捉えるかは個人差がありますが、上記を踏まえると70代以降から、本格的に老後を迎える方が多くなり、そこからは年金収入とそれまで蓄えた金融資産を取り崩していくことになるのではないでしょうか。
70代、みんな貯金2000万円は本当か
では70代ともなれば、貯金は2000万円持っているのは本当なのでしょうか。
今回は金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」より70代世帯の平均貯蓄額と中央値を確認してみましょう。
まずは金融資産保有世帯の平均貯蓄額と中央値です。
- 平均貯蓄額:1978万円
- 中央値:1100万円
平均貯蓄額が2000万円近くとなっていますが、平均値は少数の高額資産を持つ方により数値が引き上げられ結果的に歪みが出てしまいます。
一方中央値は保有額が少ない順に並べた時にちょうど真ん中にくる数値となります。
では金融資産非保有世帯を含めると平均貯蓄額と中央値がどう変化するかみていきましょう。
- 平均貯蓄額:1314万円
- 中央値:460万円
このように金融資産保有世帯については、平均貯蓄額では2000万円近く、中央値でも1000万円を超えているのに対して、金融資産を保有していない世帯を含めた世帯となると平均貯蓄額、中央値ともに大きく減っています。
こうしたデータをみると、資産保有世帯とそうでない世帯の格差が大きくなってしまっていると言えるでしょう。