(2)共働きでなかなか貯められないときは…

貯金が難しい場合は、まずは給与からの天引きで先取り貯金を検討してみましょう。給与天引きや増額が難しければ、口座からの自動振り替えで積立定期を利用してみてはいかがでしょうか。先取り貯金であれば、着実に一定額を確保できます。

ここで、全世帯(二人以上の世帯)平均の貯蓄残高の推移を見てみましょう。2019年平均の1世帯当たり貯蓄現在高(平均値)は1,755万円で、前年比3万円(0.2%)の増加となり、3年ぶりの増加となっています。このうち勤労者世帯を抽出してみると、平均値は1,376万円で、前年比56万円(4.2%)の増加となっています。

また、二人以上の世帯について貯蓄保有世帯の中央値は1,033万円でした。中央値はデータを順に並べた時に中央にくる数値です。1,000万円超の貯蓄を有している世帯が多いことが分かります。ちなみに勤労者世帯のうち貯蓄保有世帯の中央値は801万円と1,000万円を下回っています。

共働きだから支出が多くても仕方ない、という面もある一方で、共働きだからこそ貯めている世帯もいます。お金の管理は難しい、時間もないという場合でも、夫婦で話し合ったうえで貯めやすい仕組みづくりをしていきたいですね。

さいごに

夫婦共働きで収入が安定していても、もしもの時に備えていくことが大切です。夫婦でしっかり話し合っておきましょう。せっかく共働きをして、家事育児も限られた時間でやりくりしているのですから、その成果を理想的な形で残していきたいものです。家族の未来を支える大切なお金だからこそお互いの協力で作り上げていきましょう。

参考

「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2019年(令和元年)平均結果-(二人以上の世帯)」総務省
「平成27年国勢調査 結婚、共働きの状況は?」総務省統計局

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

【ご参考】年間収入とは

総務省統計局の「家計調査」における「年間収入」とは、世帯全体の過去1年間の収入(税込み収入)です。以下1~6の収入の合計金額となっています。
1. 勤め先収入(定期収入、賞与等)
2. 営業年間利益(原材料費、人件費、営業上の諸経費等を除く。)
3. 内職年間収入(材料費等を除く。)
4. 公的年金・恩給、農林漁業収入(農機具等の材料費、営業上の諸経費等を除く。)
5. その他の年間収入(預貯金利子、仕送り金、家賃収入等)
6. 現物消費の見積り額

LIMO編集部