大学の学費と世帯収入平均の推移

では次に、前述の奨学金利用者の推移と同じ期間の、大学の学費(授業料4年分と入学料の合計)と二人以上世帯のうち勤労者世帯の一世帯当たりの平均所得(手取り金額)の推移を見てみることにしましょう。こちらを見ると、学費、特に私立大学は徐々に増加傾向にある一方で、平均所得はここ数年、同じぐらいの水準で推移しているということがわかります。

加えて、表の金額には教科書代や自宅外からの通学となった場合の住居費、生活費といったものは含んでいません。これらも加味するとなると、大学卒業までにかかるお金は、かなりの高額になることは、間違いないでしょう。奨学金利用者が増えているのは、こういったことが背景にあるのかもしれません。

※文部科学省・厚生労働省のデータをもとに編集部作成

【参照】
学費について:「国公私立大学の授業料等の推移」文部科学省
(授業料×4+入学料で算出。なお、私立大学については、通常、ここにあげた授業料、入学料に加えて施設設備費4年分が加算される)
平均所得について:「国民生活基礎調査の概況」(2019年、平成21年、平成20年)厚生労働省