女性の平均収入が著しく低いのは・・・

男女間でみると女性の平均給与は男性の半分強。かなり低いことが分かります。一般の企業で働いている人は、これほど男女間に給料の差があるようには感じないのではないでしょうか。女性のほうが早く仕事を辞め、勤続年数が短いという意見もあります。

しかし民間給与実態統計調査では、働く人の平均年齢は男性が45.3歳、女性が46.5歳でほぼ同じです。平均勤続年数は男性が13.7年、女性が10.1年と男性が少し長いですが、半分というほどではありません。

女性の平均年収が低い理由の一つとして考えられるのは、多くの短時間労働者が「配偶者控除」「配偶者特別控除」を受けられるよう調整しながら働いていることです。

平成30年の給与所得者数が5,911万人で、このうち女性の給与所得者数は2,081万人でした。配偶者控除または扶養控除の適用を受けた人は全体で1,344万人なので、この層が女性の平均給与の数字にかなり影響していると推測できます。

転職先は「年功序列」か「成果主義」か?

では、転職するタイミングなどについて、再び民間給与実態統計調査の数字をまじえて考えてみましょう。民間給与実態統計調査では男性の給与が最も高くなるのは55~59歳でした。

また、最も給与が高くなるタイミングは、勤続年数30~34年です。これは入社時期が22歳前後と考えるとつじつまが合います。新卒で入社して30年後にピークを迎える年功序列モデルです。

日本にはまだまだ年功序列・終身雇用を守っている会社がたくさんありそうですね。このような企業は平均勤続年数・平均給与ともに高いため、一般的には優良企業と考えられています。

しかし、転職先としてはどうでしょうか。平均給与が高いのは中高年の給与を下げないからで、意外と若手の給与は抑えられていることが多いものです。

転職で収入アップを目指すなら、年功序列ではなく成果主義制度を採用する企業を狙うのもいいでしょう。外資系やベンチャー企業のほか、大手ではユニクロやソフトバンク、日立製作所、ソニーなどが成果主義を導入しています。