保育園や児童相談所に頼れない現実

保育園は仕事をしている時間だけしか預かってもらえないため、仕事の前に子供を預けて仕事が終われば迎えに行きます。平日の18時を過ぎると「延長保育」といって延長料金が発生したり、土曜日には土曜保育の届け出を出したりする必要があるなど、勤務時間以外に預けることは現実的に難しいものです。

民間がやっている一時保育などは1時間700円以上と高額ですし、認可保育園の一時保育などは実施が平日のみで短時間しか預かってもらえないことがほとんどです。

数時間の休憩すら取れない日々に頭がおかしくなりそうになり、子育てに追い詰められたときに泊まりで預かってもらえる保育園や児童相談所に相談したこともありました。

しかし、結局は話を聞いてくれるだけ。どれだけしんどいと訴えても「しんどいですね」「つらいですね」と言ってくれるだけで預かってもらえることはありませんでした。

母親も父親も息抜きできる環境を

ここ数年、実父が虐待者となる虐待死亡事件も増え、その割合が40%を超える年も出てきています。「イクメン」という言葉が浸透し、男性にも仕事と育児の両立を求める声が多くなっている今、父親にかかるストレスも大きくなっているのではないでしょうか?

母親だけ、あるいは父親だけが育児を背負い込むのではなく、世間の考え方や国のセーフティーネットが変化し、子育てを終えた人たちが手を差し伸べられる世の中になることを願います。そして筆者も、その1人になれるよう努力したいと思っています。

【参考資料】
2019年度児童相談所所長研修(前期)児童家庭福祉の動向と課題」(厚生労働省)
児童虐待死亡事例の検証と今後の虐待防止対策について」(厚生労働省)

松原 朱里