米中冷戦は米国優位で長期耐久戦に〜中国の苦しい事情とは?

今後についても、米国が圧倒的に有利だと思います。米国が世界中の企業に「米国と付き合いたければ中国と付き合うな」と言うでしょうから。そう言われた企業の多くは、「中国の工場を海外に移転させよう」と考えるでしょうから、中国経済が空洞化してしまう可能性が高まるでしょう。

これは、中長期的に中国経済にとって極めて大きな打撃となりかねません。外国企業の工場を誘致して、その輸出によって経済が発展してきたわけですから、その流れが逆転することの影響は大きいでしょう。

米中分断に向かえば、味方が多い方が有利

米中が新冷戦状態に突入しているとすれば、次第に米ソ冷戦時のように「違いに交流しない」ようになるかもしれません。中国は仲間たちと、米国は仲間たちと、それぞれ取引をするけれども、相互間では取引が行われない、といった時代になるかもしれません。

そうなった時には、自分の仲間がどれだけ存在しているか、ということが重要になります。はたして、どれだけの国が中国の仲間として「米国と付き合わずに中国と付き合う」ことを選ぶのか。

今までであれば、中国が経済力に物を言わせて途上国を味方に引き入れることが比較的容易だったかもしれませんが、中国経済が痛めば「金の切れ目が縁の切れ目」になるケースも多いかもしれません。

しかも、香港情勢などを世界中が注視しているわけで、中国陣営に入ることの危険性を認識する国も増えてくるかもしれません。

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塚崎 公義

1981年 東京大学法学部卒業、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行
おもに経済調査関連業務に従事した後、2005年に退職し、久留米大学へ。
現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先と関係なく個人として行なっているため、現職は経済評論家と表記したものである。
(近著)
なんだ、そうなのか! 経済入門
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(雑誌寄稿等)
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