米中冷戦は米国優位で長期耐久戦に〜中国の苦しい事情とは?

米中の対立は「新冷戦」の様相を呈しており、米国の優位で当分続くだろう、と筆者(塚崎公義)は考えています。

米中は貿易戦争ではなく「新冷戦」

ケンカには二種類あります。一つはガキ大将が弱虫からオモチャを奪い取ろうと脅す場合です。「オモチャをよこさないと殴るぞ」と脅すわけですが、本当に殴ると手が痛いので、できれば殴らずに目的を達したいと考えています。

これは、トランプ大統領の常套手段で、たとえば日本に対して「米国製の武器を買え。買わないと日本車に高い関税を課すぞ」と脅すわけです。過日合意した米中貿易協議も、これでした。「米国製品を買え。買わないと中国製品に高い関税を課すぞ」と脅したわけです。

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ケンカの種類の二つ目は、相手を倒すために本気で殴り合うものです。副社長派閥が勢力を拡大し、社長の追い落としを狙っている時には、社長派閥は本気で副社長派閥を叩くでしょう。「殴ると手が痛い」などと言っている場合ではありませんから。

筆者は、米中対立がこちらに移行しつつあると考えています。トランプ政権は、ポンペオ国務長官が中国共産党を本気で批判する演説を行ったり、在ヒューストン中国総領事館の閉鎖を命じたり、対中国の対決姿勢を鮮明にしています。

そして、肝心なことは、米国議会が最近相次いで中国が困りそうな法律を満場一致に近い形で可決しているということです。米国議会は「中国は不正な手段で実力を伸ばして、米国の覇権を脅かそうとしている。今のうちに叩き潰す必要がある」と考えているわけです。

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塚崎 公義

1981年 東京大学法学部卒業、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行
おもに経済調査関連業務に従事した後、2005年に退職し、久留米大学へ。
現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先と関係なく個人として行なっているため、現職は経済評論家と表記したものである。
(近著)
なんだ、そうなのか! 経済入門
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経済暴論: 誰も言わなかった「社会とマネー」の奇怪な正体
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(雑誌寄稿等)
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