米中冷戦は米国優位で長期耐久戦に〜中国の苦しい事情とは?

つまり、次の大統領選挙でトランプ大統領が負けたとしても、米国の中国叩きは収まらない、ということなのです。米中対立の第二段階は、「新冷戦」と呼ばれる覇権争いになるでしょう。

これまではカネの問題でしたが、今後は中国政府のあり方や基本政策について米国が変更を求めるというものになるでしょうから、中国としても到底受け入れられるものではないでしょう。したがって、合意は非常に困難だと思います。

しかも、上記のように大統領選挙の結果にかかわらず米中の対立は続くでしょう。したがって、中国は「時間稼ぎ」をしても得をしないのです。むしろ、時間が経つと中国に不利になる可能性が高そうです。

中国の苦しい事情が米国の圧勝の要因に

貿易戦争は、米国が圧倒的に有利です。米国は中国から大量の輸入をしていますし、中国の方が経済規模が小さいので、米国の対中輸入関税で輸入が減ることは中国経済にとって大変な痛手なはずです。

一方で、中国の対米輸入は米国の対中輸入よりはるかに少ないですし、もともと米国経済は巨大ですから、中国が対米輸入に関税を課しても米国経済の打撃はそれほど大きくありません。

したがって、先の合意は米国の圧勝に終わったわけです。米国は貿易戦争勃発前と比べて何も譲らず、貿易戦争で中国に課した関税も大部分は残したままでした。関税を少し引き下げただけで中国から大量輸入の約束等を取り付けたわけですから。

参考記事

ニュースレター

メールアドレスをご登録いただくと、毎朝LIMOの更新情報をお届けいたします。
塚崎 公義

1981年 東京大学法学部卒業、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行
おもに経済調査関連業務に従事した後、2005年に退職し、久留米大学へ。
現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先と関係なく個人として行なっているため、現職は経済評論家と表記したものである。
(近著)
なんだ、そうなのか! 経済入門
老後破産しないためのお金の教科書
経済暴論: 誰も言わなかった「社会とマネー」の奇怪な正体
一番わかりやすい日本経済入門
日本経済が黄金期に入ったこれだけの理由
(雑誌寄稿等)
Facebook、NewsPicks、アメブロ等にて適宜ご紹介