新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大は、労働・雇用環境に大きな影響を及ぼしています。働く人々の側の意識には、どのような変化が生じているのでしょうか。
今回は、2つのアンケート調査の結果を通じて、若い世代の仕事やキャリアアップに対する意識変化をみていきましょう。社会人の学びを支援する、国の「教育訓練給付制度」についても触れていきます。
コロナ禍でみえた「若手のスキルアップ意識」の高さ
まず、公益財団法人日本生産性本部が実施した「新型コロナウイルスの感染拡大が働く人の意識に及ぼす調査」(調査:2020年5月、対象:1100名)の調査結果から、COVID-19の流行と、働く人々の自己啓発の意識の変化についてみていきます。
「コロナを機に自己啓発を始めた人」
「年代別・コロナウイルス流行以降の自己啓発の開始有無」
( )内は、「始めた」「始めたいと思っている」と回答した人の割合の合計
全体(38.9%)
- 始めた…8.8%
- 始めたいと思っている…30.1%
20代(54.2%)
- 始めた…18.8%
- 始めたいと思っている…35.4%
30代(46.5%)
- 始めた…9.4%
- 始めたいと思っている…37.1%
40代(42.2%)
- 始めた…7.3%
- 始めたいと思っている…34.9%
50代(31.2%)
- 始めた…6.1%
- 始めたいと思っている…25.1 %
60代(20.4%)
- 始めた…4.1%
- 始めたいと思っている…16.3%
70代(24.6%)
- 始めた…5.7%
- 始めたいと思っている…18.9%
「始めた」「始めたいと思っている」と回答した人の割合は、若い年代ほど多くなっていまね。特に20代に限ると、自己啓発を「始めた」人は18.8%、「始めたいと思っている」人は35.4%、合計54.2%。自己啓発に積極的な若者たちの姿勢がうかがえる結果となりました。
何のために自己啓発を始めたの?
また、自己啓発を始めた(/始めたい)目的として、以下のようなものが挙げられました。
- 将来の仕事やキャリアアップに備えて・・・46.3%
- 現在の仕事に必要な知識・能力を身に付けるため・・・43.0%
- 資格取得のため・・・30.8%