吉野家とマクドナルド、コロナ禍での客単価でなぜ差がついた? 株価不振の吉野家HD

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吉野家はテイクアウトにシフトすると客単価が下がる?

一方、吉野家は事情が全く異なると推察されます。吉野家にはマクドナルドにいるような100円で長時間滞在する客はいません。実際、吉野家の既存店客単価の対前年同月比増減率は、3月:▲2.0%、4月:▲3.0%、5月:+2.1%、6月:+8.1%で、日本マクドマルドの実績には遠く及びません。

吉野家では店内飲食の場合、牛丼や豚丼よりも値段の高い「定食」「御膳」に一定の需要があります。これら「定食」「御膳」も概ねテイクアウト可能となっていますが、一部商品や季節限定商品には対応できていません。

また、実際に定食をテイクアウトするとなると、味噌汁を家に帰って自分で作る等の煩わしさが発生します。牛丼のようにパカッと開けてすぐに食べられませんから、「定食」「御膳」は店内飲食の方に圧倒的なメリットがあるのは明らかです。

さらに店内飲食の場合は、たとえば牛丼を注文した上で、生卵やポテサラ、お新香などサイドメニューの追加注文が多くありますが、テイクアウトでは店内ほどあれこれ頼まないのではないでしょうか(ちなみに、生卵は夏期はテイクアウト不可)。

こうした状況を勘案すると、店内飲食がテイクアウトにシフトして客単価が上昇する、という可能性は低いでしょう。なお、6月以降になると昨年春から発売した「牛丼 超特盛」の増収効果が一巡すると見られるため、この3~5月期(2021年2月期第1四半期)にどれだけ収益を確保したのかは重要な注目点となるでしょう。

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執筆者

国立大学卒業後、国内・外資系の金融機関にて23年勤務後に独立。証券アナリストなどの職務を経験し、ファイナンシャルプランナー関連等の金融系資格を多数保有。専門は株式投資、貴金属投資、年金、相続、不動産。