“所得代替率”とは、現役の平均手取り額に対する年金額の比率を示す数値です。2019年度時点の所得代替率は61.7%でした。今後どの程度下がるのかは、経済成長や労働参加の状況によって変わってきます。
経済成長と社会参加が進むベストなケースでも、2046年度の所得代替率は51.9%にまで下がると予測されています。経済成長と社会参加が進まない最悪の場合は、2058年度に44.5%にまで落ち込むおそれがあります。
退職金制度のリスク
ここからは、退職金について詳しくチェックしていきます。
退職金制度がない企業が約2割
厚生労働省の資料(※1)によると、2018年時点で退職給付(一時金・年金)制度がある企業の割合は 80.5%です。企業規模が大きいほどこの割合は高くなります。
- 1,000人以上・・・92.3%
- 300~999人・・・91.8%
- 100~299人・・・84.9%
- 30~99 人・・・77.6%
全体の約2割の企業には退職金制度そのものがありません。
退職金の金額を知らない
フィデリティ退職・投資教育研究所が2019年に実施した調査(※2)によると、退職金の金額を把握した時期でもっとも多かったのは、「退職金を受け取るまで知らなかった」の31.6%でした。次に多かったのは「定年退職前半年以内」の20.3%です。定年退職間際まで退職金の金額を把握していなかった人は過半数に上ります。