退職金に期待できない人ができること

「会社に退職金制度がない」「十分な額の退職金が出ない」という人は、できるだけ早い時期から自分自身で老後の備えを始めることが大切です。

まずは、退職金制度の有無や概算の支給額を確認します。退職金だけでは老後に不安が残るという場合は計画的な貯金を心がけ、「長期・積立・分散投資」を早期から始めることも検討しましょう。投資は長期であるほど、そして分散するほど利益がバラつきにくくなり、失敗を防ぎやすくなります。

つみたてNISAとiDeCoとは

「つみたてNISA」と「iDeCo」は、国がバックアップする「長期・積立・分散投資」の制度です。

「つみたてNISA」は、正式名称を少額投資非課税制度といい、通常はまとまった資金がないとできない投資を少額から利用できるというものです。対象は投資信託のみで、年間40万円まで非課税枠が利用できます。いつでも現金化できる点が「つみたてNISA」のメリットといえます。

「iDeCo」は、個人型確定拠出年金といわれる制度で、個人で年金を作る仕組みです。掛け金は全額所得控除の対象となり、運用益は非課税です。お金を引き出す際には公的年金等控除や退職所得控除が利用できます。原則的に60歳までお金を引き出せないので、老後資金形成にピッタリです。

2つの制度を併用することで、「つみたてNISA」でライフステージごとの出費に備えながら、同時に「iDeCo」で老後資金の形成ができます。

できるだけ早く適切な準備を始めよう

公的年金や退職金の支給額は今後減少傾向が続くと予想されていますが、コロナショックの影響でさらに状況が悪化する可能性も出てきました。できるだけ早く自分のライフ・マネープランについて検討を始めて、できることから少しずつ実行していきましょう。

参考

『金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」』金融審議会
「平成30年簡易生命表の概況(主な年齢の平均余命)」(2018年)厚生労働省
「国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通し 2019(令和元)年財政検証結果」厚生労働省
(※1)「平成30年就労条件総合調査」厚生労働省
(※2)「65~79歳1万2,000人アンケート」フィデリティ退職・投資教育研究所

LIMO編集部