そうしたことを考えるためには、たとえば「年間売上高の1割が失われても倒産しないか」を考えてみる必要があるでしょう。
流動資産(1年以内に現金になる資産)から流動負債(1年以内に返済が必要な負債)を差し引いた値が年間売上高の1割より多ければ、おそらく問題ないでしょう。流動負債の返済期限が翌日で、流動資産の回収予定が11カ月後であれば倒産するかもしれませんので、絶対とは言えませんが。
もっとも、上記の条件は大変厳しいので、これを満たしていなくても心配しなくて大丈夫です。たとえば、売上が減れば材料費も減りますから、「売上から売上原価を差し引いた残り」の1割と比べれば良いでしょう。それ以外にも、アルバイトを出勤停止にして正社員だけで営業しているかもしれませんし、店を閉めていれば電気代等も安く済むでしょう。
それから、流動負債については、銀行が借金の返済を待ってくれたり、返済額と同額を貸してくれたりする場合も多いと思います。今次局面では、「短期的な売上の落ち込みによる資金繰り難を借り手が乗り越えるか否か」が銀行にとっても重要だからです。
この辺りについては、拙稿『銀行の融資基準が新規先に厳しく、既存先にはそれほどでもない理由』をご参照いただければ幸いです。
そうしたことを考えても資金繰りが困難になりそうな企業があれば、それは倒産の可能性があると考えて良さそうです。
流動比率等を計算してみる
新型コロナの話から離れて、以下では一般論として新型コロナ以前から広く言われていたことを紹介します。
まずは、決算書に継続企業の前提に関する注記(ゴーイングコンサーン注記)がある会社は危ないということです。当然のことですが。