売上が減り、赤字が増えている企業は要チェックだ、と考えている読者も多いと思いますが、それは「長い目で見て倒産する可能性が高そうだ」ということであって、倒産が差し迫っているか否かは別の問題です。純資産が潤沢にあるならば、すぐに倒産ということはないでしょうから。
反対に、黒字企業だからといって、大丈夫とは限りません。たとえば売上分がすべて売掛金となっていて、仕入れがすべて現金であれば、利益が上がっていても資金繰り倒産をする可能性もあるからです。
一般的に言われているのは、流動比率、当座比率、固定比率、固定長期適合率、自己資本比率、といった比率をチェックするべきだ、ということです。
流動比率というのは、流動資産を流動負債で割った値のことです。これが1以下だと危険だ、というのは当然ですね。
当座比率というのは、当座資産を流動負債で割った値で、これが1以上あれば、とりあえず安心だと考えて良いでしょう。当座資産というのは、流動資産の中でも現金化しやすい資産で、現金、預金、受取手形、売掛金、などの合計のことですから。
固定比率というのは、固定資産(流動資産でない資産。不動産等)を純資産(自己資本とも呼ぶ。バランスシートの右下部分で、返済を要しない資金)で割った値のことです。これは小さいほど安心です。1以下ならば返済不要の資金で不動産等を購入しているということになるので、まあ大丈夫でしょう。
固定長期適合率というのは、固定資産を純資産プラス固定負債で割った値のことです。これも小さいほど安心です。1以下ならば、不動産等の購入資金が純資産と長期借入金等で賄われているということですから、まあ大丈夫と考えてよいでしょう。
自己資本比率は、純資産を負債プラス純資産で割った値ですから、高い方が安全です。業種等にもよりますが、10%を下回ると危険だ、という人が多いようです。