本格的にスキルを身に付けたいなら「専門実践教育訓練」

習い事のような感覚で利用できる一般教育訓練に対して、専門実践教育訓練は、腰を据えて、実践的なスキルを身に付けたい場合に利用できる制度で、主に国家資格や公的資格の取得などが目的となっています。

期間も2年から3年かけて専門学校に通って訓練する内容が多く、看護師、介護福祉士、美容師、調理師、保育士などの資格を取得することができます。

専門実践教育訓練給付金の支給額は受講費用の50%(最大1年間40万円)となっており、期間は3年間が最長となるので、最大120万円の支給となります。

さらに受講後、資格等を取得し、1年以内に雇用保険の加入者となれる職に付くと追加で20%支給されるため、合わせて70%(最大1年間56万円)、3年間で最大168万円の支給となります。

利用できる条件は、雇用保険の加入期間が3年以上となっていますが、まだ一度も利用したことがなければ、加入期間2年以上で利用することができます。離職した場合は、離職日の翌日から1年以内に受講を開始する必要があります。

<手続きの方法>

手続きの方法は一般教育訓練と大分異なり、最初にキャリアコンサルタントによる訓練前キャリアコンサルティングを受けなければなりません。

これを元にジョブカードを作成し、ハローワークに提出します。この手続きは受講開始日の1カ月前までに行う必要があります。また、給付金の支給申請は受講修了後だけでなく、受講中も6カ月ごとに行う必要があります。

<教育訓練支援給付金>

専門実践教育訓練は期間が長いため、仕事を辞めて訓練を受ける場合は、生活費の心配がありますが、その点についても支援があります。

45歳未満の離職者を対象に、「教育訓練支援給付金」の支給があります。これは、雇用保険の基本手当日額の約80%が支給されるもので、教育訓練が終了するまで給付を受けることができます。(基本手当が支給されている間は支給されません)

専門実践教育訓練は、離職者だけが対象ではありません。夜間や通信などを利用して、仕事を続けながら受講することも可能です。情報通信技術関係の資格やビジネス、工業分野などにおいて、現職を続けながら上級資格を目指したり、専門性を突き詰めたりする目的で利用することもできます。