最近はフィンテックの発展でコンピューターが最適な資産運用をするかのごとく喧伝されていますが、何百年経とうと数十年後の資産残高を想定できるなんてことはありえません。

そもそも人間は平均80年そこそこで死ぬのです。相談した人も亡くなれば、された人も亡くなります。いなくなる人がいなくなる人の面倒を見ることはできません。

資産運用会社も投資哲学だとかチーム制での運用継続を謳いますが、そもそも80年続く企業がどれだけあるのでしょう。従業員はやめるし、コンピュータだって陳腐化してデータが飛んだりするのは日常茶飯事。

筆者も金融取引はほぼネット取引のみですが、ある日データが消えて「あなたの預金はゼロです」と言われかねないなと感じながら日常を過ごしています。

もっとも、人間が対応してくれる店頭でも、担当者に「コンピュータが壊れて、あなたの預金はゼロです」と言われかねませんから、もはやオンラインもオフラインもリスクは同等と考えているだけです。

金融機関の利益の源泉

筆者も金融業界で35年以上働いていますから、同業がどこで利益を得られるかは分かります。それは、①顧客からの手数料、②自己資金(累積利益)の運用益、の2つに大きく分けられます。