一方、金融機関にもいろいろな部署があり、大変親切に対応される方が多数いらっしゃることも事実です。私も某銀行勤務時は、利回りの低い定期預金を売らずに、銀行保証の高利回り抵当証券を売っていたくらいの変人でしたから。

しかしながら、金融機関の収益性はどんどん落ちています。その割に人は減らせないし、システム投資は毎年法外に嵩みます。となれば、食っていくためには取れるところから手数料を取るしかないのです。

どこからか? それは自分で勉強しない「おまかせ型顧客」のポケットからです。

ということで、自分のお金は徹頭徹尾自分が管理しないといけません。金融機関を利用することがあっても利用されてはいけません。あくまで、金融取引のハードウエアと割り切ってください。

人間味がないと言われればそれまでですが、ITの発展で個人情報はどこかで蓄積され、名寄せされる可能性があります。個人の詳細な資産状況を教えるということは、自分がいつかカモにされる可能性があるということです。

個人の金融取引にしても、ビジネスにしても、性善説で対応したいのはやまやまですが、お金は人を変えてしまうのです。自分の身は自分で守りましょう。

太田 創(一般社団法人日本つみたて投資協会 代表理事)