債券市場

2019年12月下旬以降、上昇(利回りは低下)基調

インド国債市場は、2019年12月下旬以降、上昇(利回りは低下)基調をたどっている(5月15日現在)。

インド準備銀行(中央銀行)は、新型コロナウイルスの感染拡大の国内経済への影響を抑制することを目的に金融緩和を続けている。また、原油価格の大幅下落と国内のインフレ率の落ち着きも債券市場にとりプラス要因となっている。

HSBC投信の債券運用戦略

インド債券市場は、グローバル投資家にとり良好な投資機会を提供している。新型コロナウイルスによる経済的混乱が収束すれば、インド経済は再び優位性を取り戻すと思われる。インド経済のファンダメンタルズは比較的良好であり、また、インド国債は投資適格級ながら、利回りが依然として高水準にある点も注目される。

インド債券の運用においては、引き続きインドルピー建国債に重点を置いて投資を行う。また、短中期のインドルピー建社債を選好する。一方、米ドル建債券には慎重な姿勢を維持する。

為替市場

インドルピーは2月下旬以降に急落した後、4月からは一進一退

インドルピーは対米ドル、対円ともに本年2月下旬以降は新型コロナウイルスの感染者の世界的な広がりを受けた投資家のリスク回避志向の高まりを受けて、他の新興国通貨とともに急落した。4月以降は一進一退の方向感に欠ける展開となっている。

インドルピー相場は、短期的には引き続き不安定な動きを続ける可能性があるが、長期的には、相対的に良好な経済ファンダメンタルズや潤沢な外貨準備高が支援材料となり、堅調な展開が予想される。