付加給付の実施は各健保組合の任意です。実施していない組合がありますので、給付の有無について、御存じ無い方は各組合の制度をチェックした方がよいでしょう。組合によって付加給付の内容は様々です。

たとえば、ここでは花王健康保険組合の場合を計算してみました。

花王健康保険組合の場合

付加給付額:自己負担限度額―20,000円

前項の「高額療養費」の計算で算出した自己負担額を用いて説明します。
付加給付額:87,430円―20,000円≒67,000円(1,000円未満の端数は切り捨て)
87,430-67,000円=20,430円・・・最終的な自己負担額

どうでしょうか。最終的に支払う金額は20,430円となりました。医療費は100万円かかっているので、3割負担であれば、窓口では本来は30万円支払うはずです。

しかし、高額療養費制度により、その額がおおよそ8万円程度になるのは、前項でも説明したとおりです。花王健保組合の場合ですと、加入者は、付加給付のおかげで、約2万円で医療を受けられることになりました。

ここに隠れた医療格差があるともいえます。前述しましたが、協会けんぽや国保には付加給付はありません。