例えば、米国では公的医療保険の適用が限定的で、日本のように国民が等しく医療を受けることができません。日本では医療保険制度があるので、一部の負担だけを背負っていますが、米国ではこの大きな費用負担を全て背負うことになります。民間の医療保険に入る人もいますが、多額の保険料を毎月支払うことになるため、民間の医療保険にすら入れない無保険の人が多く存在するのです。貧富の差が激しい米国では、受けられる医療にも格差が生じているのです。

日本の高額療養費制度とは?

日本の医療制度で優れている点のひとつに「高額療養費制度」があります。長期で入院された方のこんな話を聞いたことがありませんか。「お金がかかるかと思ったけど、思いのほか安くて済んだ」とか。

実はこれは、日本には高額療養費制度があるからなのです。下記は高額療養費制度による自己負担限度額をまとめたものです。

70歳未満の自己負担限度額(月)

所得区分が標準報酬月額83万円以上の方
252,600円+(医療費―842,000円)×1%

所得区分が標準報酬月額53万~79万円の方
167,400円+(医療費―558,000円)×1%

所得区分が標準報酬月額28万~50万円の方
80,100円+(医療費―267,000円)×1%

所得区分が標準報酬月額26万円以下の方
57,600円