「でも、自分でも呆れることに、それに気付いたのもつい最近。家事や育児は妻がやるのが当然だと思っていたし、『仕事は別にやめてもいいぞ』と言っていたけど、妻は『社会とのつながりをなくしたくない』と言ってやめなかった。妻は決して言わなかったけれど、きっと私の収入に対する不安もあったんだろう」と話します。
「それに、若い頃はちょっとひねくれていて、友達なんていらないと思っていたし、何かと1人で行動したがるタイプだった。群れて行動するやつらを心の中で軽蔑していたし、1人じゃ何もできないんだなと見下していた」と振り返るDさん。
「でもそうじゃなかった、彼らはコミュニケーションを取って仲間とうまくやっていくという能力を持っている。私とは比べ物にならないくらい高い能力が必要とされるものだ。1人でいるのは誰にでもできる。このまま誰とも話さない状態が続くようなら、社会的には死んだのと同じだよな」と語ってくれました。
おわりに
4人の話を聞いていると、「お金は使うもの」「子どもの面倒は妻が見るもの」そして「群れる人間はレベルが低い」というような思い込みが、後悔のタネになっているように思います。
人間が思い込みから脱け出すのは簡単なことではありませんが、今、無意識のうちに思い込んでいること、そしてその思い込みからやっていることが将来後悔を生むかもしれません。一度自分自身の考え方のクセを見直してみてもいいかもしれませんね。
大塚 ちえ