先立った妻は幸せだったのかと自問した

自身で不動産会社を興したCさんは、家族のためにもっと多くの時間を使えばよかったと後悔しているようです。

「若い頃はほとんど家に帰らず、仕事ばかりしていた。子どもが3人いたけれど、男ばかりで女房は本当に大変だったと思う。子どもと話をするようになったのは、大人と同じように会話ができるようになった小学校高学年か中学生くらい。気付いたら大きくなっててさ、あっという間だしタイムスリップしたみたいな気持ちになったのを覚えている」と振り返ります。

「4年前に女房が死んだとき『コイツはオレと一緒になって幸せだったのかな』と思ったし、もっと何かしてやれることがあったんじゃないかと後悔した」と寂しげなCさん。

「息子3人はほとんど家に寄り付かないし、2人はもう結婚して家庭を持っているけれど孫の顔もほとんど見せに来ない。そりゃそうだよな、子どもの頃に自分のことを構ってくれなかった親父に孫の世話ができるなんて誰も思わない。もっと家族を大事にしていればよかったと思うよ」と語ってくれました。

リタイア後、一人で過ごす時間を持て余している

最後は、教師として勤め上げて引退したDさんです。今は奥さんと2人で暮らしていますが、若い頃に一生付き合える友達を作っておけばよかったと後悔しているようです。

「知らない間に妻は友達をたくさん作っていたようで、自分との2人暮らしが窮屈なのかしょっちゅう友達と遊びに出かける。最近は家に1人でいることが多くて、どうにも退屈している。自分が教師をしていたくせに、自分の子どもの世話は妻に任せっぱなしで、2人の子どもの面倒を見ながら同じ教師として働いていた妻には本当に頭が上がらない」のだそう。