たとえば、親がヨーグルトのフタをあけて子どもに渡すと、子どもが「自分で開けたかった!」と怒るのは、よくあることです。その後いくらなだめても、新しいヨーグルトを持ってきても、「次は開けてもらうね」と言っても、イヤイヤ期の子は納得せずに泣き続けます。
何度か繰り返していると、親は「子どもに自分でやらせてみよう」と学びます。子ども自身にやってもらったり、選んでもらう機会がグンと増えるのです。イヤイヤ期がなければ、親が何でもやってしまうままになったでしょう。
実際、イヤイヤが一番激しかった次男は、着替えや靴を履くといった身の回りのことを1人でできるようになるのが、3人の中でも一番早かったのです。
子どもと自分の感情を分けるクセが付いた
「子どもの気持ちに引きずられない」ことも、大きな学びでした。個人的な感覚ですが、新生児期から子どもが泣けば母親はソワソワして「早く抱っこしてあげないと」と思うように、母子間では精神的な共感力が強かったように思います。
ところが、イヤイヤ期には子どもに感情を引きずられ、親まで泣いたり怒ったりするわけにはいきません。
子どもと自分の感情を分け、「どうするべきか」と理性を働かせ、なだめたり、気分をそらせたり、抱きしめたり、時には様子をみるなど試行錯誤する。こういった冷静な考えや対応、分析が必要になります。
親子の感情を分けることは、育児をする上でも、子どもの自立のためにも重要に思います。イヤイヤ期は「第一次反抗期」ともいいますが、親側としても、親子の感情を分けることでほんの少し子離れをした時期のようにも感じました。