悪いのは私ではない
急な休校措置の決定に、多くの人が戸惑った3月。飲食店でアルバイトをする学生Yさんの同僚もその一人でした。
「その方のお子さんが小学一年生らしくまだまだ半日お留守番するのは無理と判断したようで、店長と話し合い平日のシフトから外れて当面週末に1日だけ出勤することになりました。平日は私とその方が一緒に入ることが多かったのですが、他の方を補充することができず『こんな事態だし客足も落ちるだろう』という店長の判断で、私が一人でシフトに入ることに。お子さんとも面識があったので、自分でよければ穴を埋められるように頑張ろうという気持ちでいました」
しかし、ピーク時ともなると人員が一人少ない状態はシビアなものだったといいます。休校で暇を持て余している親子などが訪れるため、店長と二人必死で対応をした日も数日ではなかったそう。そんなある日、まさにピークというタイミングでパートを休んでいる同僚がお子さんを連れて食事に来ました。
「普段働いている人間であれば忙しい時間はわかっているはず。顔をみせにくるのであれば時間を考えてくれてもと思うのですが…。帰り際に『ごめんねーでも私がどうこうできる問題じゃないしね。私も今月パート代なくてやばいよー』と言い残して去っていきました。確かに、国や自治体の決定に従ったわけで彼女のせいではありません。でも、彼女は休業補償の対象になるかもしれない。一方、私はこんな状況の中で普段の倍以上働いているのになんの手当もないんだ…と思うと彼女の態度にイライラが募ってしまいました」
普段からお子さんの急な体調不良などで休む同僚をフォローしていたというYさん。「困ったときはお互い様」なんていいますが、フォローをするのはいつも自分という状況に不満が溜まってきたといいます。