お買い得な「ランチメニュー」の導入が売上高に大きく貢献
売上高はうなぎ登りに上昇し株主優待も向上されることが決定し、まさに絶好調のケンタッキー・フライド・チキンですが、きっかけは「ランチメニューの導入」であると言われています。
ケンタッキーでは毎日(土日祝日を含む)10時~16時までランチセットを販売しており、人気のフライドチキンやビスケット、サンドイッチ、ツイスターなどをセットでかなりお得に購入できます。
例えば、通常なら合計900円以上する「フライドチキン・ポテト・ドリンク・ビスケット」が、ランチタイムに販売されている「ランチSセット」なら500円で購入することができます。
一人客やビジネスパーソンの日常使いを押し出すことを目的に導入されたランチメニューですが、導入時は一筋縄ではいきませんでした。
毎年恒例の「クリスマスが今年もやってくる」というCMで、「クリスマスと言えばケンタッキー」というイメージが強い方も多いと思いますが、ランチメニューの導入により「クリスマスなどのイベントの特別感がなくなるのでは」という懸念があったようです。
そのため、ランチメニューの導入も、当初は2018年7月23日~9月5日までの夏季限定の商品としてサービスが開始されました。
しかし、実際にはケンタッキーのランチメニューが導入された2018年7月から2020年2月までの20カ月のうち、各月の前年比を上回ったのは19カ月となっており、ランチメニュー導入をきっかけに売上が上昇しているのは数字にも表れていることが分かります。
懸念されていたクリスマスシーズンも、結果としては2018年および2019年12月は両年ともに前年より売り上げが上昇。ランチメニューも恒久的に実施されるまでに至りました。
株価も一時は3,500円を超えて上昇し、2019年12月には1992年2月以来27年10カ月ぶりの高値圏まで上昇しました。
ケンタッキーに求められていたのは「クリスマスの特別感」ではなく、「日常的に利用できるお手頃感」だったようです。