会社はあなたを守ってくれない

会社なるものに過度な期待をしてはいけません。最後に頼れるのは自分自身しかありませんので、リストラや減給・降格があってもドンと構えられる気持ちの強さをもってください。

もちろん、不祥事をしでかしたとか問題行動での処分は論外です。いくらあなたがエリートでも(と呼ばれていても)、会社は平気でカットします。経営陣であっても雇われ社長はすぐ首をすげ替えられますので、ましてや平社員は当然そうなります。

それでも一社目が好きな人が最後まで続けるには

極論すれば、その企業カルチャーにどっぷり浸かることです。朝礼、体操、ダラダラ会議、残業、飲み会、社宅・・・。こういうものが当たり前と思えるような精神構造になればしめたものです。会社ってそんなもの、転職しても同じでしょ?と思い切れれば勝ちかもしれません。ただそれは、筆者には無理でした。

低成長を脱せない日本企業は新卒一括採用を維持できない?

日本経済は低成長が持病のようになっています。そこにまたコロナショックという大打撃が襲ってきました。この影響は短期間では終わりそうもないという時代の流れもあり、新卒一括採用はいずれ成り立たなくなるでしょう。

なぜなら、

  • 一括採用コストと入社後教育コストが収益上見合わない。
  • 学歴や数回の面接で学生の将来性を判断することは不可能。
  • モノに不自由してこなかった学生は、初任給の高さだけでは採用できない。
  • 学生も自由度の高い働き方を求めている。

と考えるからです。

では、これからどのような採用方法になっていくかです。私見では、新卒採用人数が激減し、各企業は中途採用を増やしていくと思います。

中途入社人材は業界経験が豊富ですから、ビジネスに直結する確率は新卒新人よりは高いでしょう。もっとも、中途採用される側としては、その会社に試されているわけですから、成果が出なければクビになることを覚悟して精進するのは言うまでもありません。そこは新卒採用よりメンタル的には厳しいかもしれません。

これだけ複雑な世の中で、明日は何が起こるか分かりません。そうした中で、新卒採用をコミットし、実質半年以上前から入社を確約することができる会社が何社あるでしょう。そのため、新卒の学生は海外のように、「個」として能動的に企業にアプローチして自分を売り込むことが必要になるかもしれません。

学生諸君も鋭いですから、自分の向き不向きは分かるはずです。多様で将来性のある学生を、一つの枠にはめてゴソっと採用しても、逃げていくのは目に見えていますね。実のところ、黒服を着て就活なんてアホらしいと思っているのは、学生諸君かもしれません。

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太田 創(一般社団法人日本つみたて投資協会 代表理事)