運用内容は株式が20%弱、債券(国債・社債)が50%弱、残りは短期金融資産(現金に近いもの)ですから、かなり保守的な運用をしていたと思いますが、コロナショックによる株価・債券価格の下落により、基準価額はピーク時から10%下落したととされています。
20%分運用されていた株式の価格が3割下落すれば、基準価額は約6%下がります。残りの4%分の下落分はおそらく社債価格の下落が要因ではないかと推察されます。
もっとも、この繰上償還条件は予め開示されていましたから、運用会社としては繰上償還条項に従ってやむなく踏み切ったわけです。運用会社も1千億円近くの運用資産がなくなるのですから、”痛い”を通り越した状況にあるはずです。
もっともズルズル運用を続けて損失を拡大するよりは、5%程度の損失で済むのであればまだよかったと言えるかも知れません。
ただし、設定時に購入手数料2.2%、繰上償還までの4年間保有した間の信託報酬5.28%(1.32%✕4)、合計コスト7.48%を支払われた投資家は、実質12.5%程度のロスと考えられます。
また、今後同種ファンドの繰上償還が続く可能性もあります。