1年以上前に『「元本確保型投資信託」が元本保証できない理由』という記事を書きました。その時は、10年ぶりくらいに元本確保型投信がミニブームになり、1000億円を超える大型ファンドが設定されていたからです。

元本確保型投信の仕組みについてはその記事を参照いただきたいのですが、要するに元本保証しない投資信託(当たり前ですが)だけれども、なんだかんだの仕組みを組み込んで、元本や最低償還価格を“確保”する努力をしますという投資信託です。

その時は、こんなに早く元本を割って償還されるファンドが出てくるとは思いませんでしたが、コロナショック恐るべしです。

2019年1月末現在で1300億円程度の残高があった「アムンディ・ダブルウォッチ」というファンドが運用成績の悪化により、4月30日に繰上償還するという発表を行いました。

このファンドの設定日は2016年1月29日、償還期限は2026年9月4日ですから、満期償還まで6年半弱を残しての繰上償還となったわけです。

繰上償還基準まで基準価額が下落

同ファンドの発表によれば、繰上償還基準価額は毎日の基準価額最高値の90%の水準です。その繰上償還の判断基準の基準価額が9,562円まで下落したので、その旨を決定したとされています。逆算すると、このファンドの最高基準価額は10,624円であったことが分かります。