34歳で2児の母のAさんは、出産を機に大手企業を退職。子どもが幼稚園に入ったのを機に、パートをはじめました。「いくつか面接を受けましたが、実家も遠いので子どもが熱を出せば私が休むしかありません。そうなると、初めから断られてしまうこともあって。今は雇ってもらえるだけありがたいと思っています。

産前は自分のキャリアを考えて仕事をしたり、転職を考えたりしました。意欲的でしたね。母親になったら逆なんです。雇ってもらうだけで、仕事をさせてもらうだけでありがたいに変わりました。

ブランクもあり、パートを始めるのも不安でした。前より年を取り、体力も落ちた自分に仕事ができるのか、自信がなかったんです。パートとはいえ、育児との両立も大変ですから」。

出産を機に退職し、ブランクがある。この2つで自信をなくし、「自分なんか雇ってもらえるのだろうか」「本当にやりたい仕事は我慢」という声は多く聞きます。

女性が自信を取り戻すために

女性のキャリアを大きく変える、出産・育児。この部分に対する理解や協力がない限り、日本女性が自信を持つのは難しいのでしょう。専業主婦時代の価値観も、大きく影響を与えています。

今後社会にテレワークが浸透すれば、今まで働きたいけれど働けなかった20~40代の母親である女性たちが、仕事に参加できるようになる日もくるでしょう。彼女たちのブランクを減らし、キャリアを継続させることが、日本が力を伸ばす一つの手にもなるのではないでしょうか。

宮野 茉莉子