育児ブログや育児アカウントでは、思わず「そうそう!」とうなずくようなエピソードをよく目にします。その多くは女性目線で発信されており、育児のしんどさや大変さは、いまだ女性の方に重くのしかかっているようにも見えます。

今回は、“男性と女性とでは、なぜ育児に対するしんどさが違うのか”というところにスポットを当てて考えていきたいと思います。「パートナーが子育ての大変さを理解してくれない!」と少なからぬママたちが嘆いている、その背景には何があるのでしょう。

女性の育児は「妊娠した時点」がスタート

「もしかして妊娠?」と思ったところから、女性の心の中には「自分たちの子ども」のイメージがつくられ始めます。妊娠が判明したあとは、体にも心にも大きな変化が次々と現れ、否が応でも「母親になるんだ」という自覚が芽生えてきます。

つわりで苦しむ日々を乗り越え、食べ物の栄養や体の動かし方一つにも細かく気を使いながら十月十日(とつきとおか)を過ごす。我が子が誕生する前から、小さな命を守り育てていくのだということを意識するようになっているのです。

一方男性は、パートナーが妊娠による体の変化に戸惑い、苦しんでいるときも、見守ってサポートしてあげることしかできません。体の構造上、これは仕方のないことです。

中には、妊娠がわかった時点で「これからは妻も子どもも守っていかないと!」と、気持ちが引き締まる男性もいるでしょう。しかし、多くの場合、男性が父親として目覚めるのは出産のあと。小さな赤ん坊を自分の手で抱っこしたときから、なのではないでしょうか。