赤ちゃんの泣き声も心への響き方が違う

出産したばかりで疲労困憊していても、女性が育児をスタートできるのは、男性よりも早い時点から母親として体と心の準備をしているからなのでしょう。それだけに、変化に対応するためのストレスも十月十日分、早くから受け続けていると言えます。

自宅へ戻ってからも、女性に育児の負担がかかりやすい状況は続きます。

新生児の育児で一番大変だったことを先輩ママ100人に聞いた調査(小学館の子育てサイト「HugKum」調べ/2019年)によれば、トップは「睡眠不足(25.4%)」。

「おなかがすいた」をはじめ、赤ちゃんはさまざまなことを泣いて伝えます。そのためママには気を抜ける時間がほとんどありません。

実は、赤ちゃんの泣き声は、女性の感情や共感性などを司るさまざまな脳の部位を活性化し、育児行動を引き起こす役割をはたしていることが研究によって確かめられています(※1)。男性には、残念ながら、赤ちゃんの泣き声による脳の活動変化は見られなかったそうです。

パパったら、あんなに泣いてるのに目が覚めないなんて、信じられない!」という経験はママにはあるあるかと思いますが、そんな事情があることを知っていると少しは怒りの炎も弱まるのではありませんか。

とはいえ、泣き声から子どもの欲求を聞き取ったり、夜中に起きて子どもの授乳をしているパパも実際にいるのですから、生物学的な差がすべての行動を決めるわけではありません。ヒトは社会的な生き物、環境に応じて変わっていくこともできるはず。

それぞれの家庭でできる範囲の工夫をしてみてほしい!と心の底から思います。