先にお話ししたように、高額療養費制度が利用できるのは一定以上の自己負担額を支払った場合のみです。
何カ月にもわたって治療が続き、それぞれの月では自己負担限度額に達しないため、高額療養費制度が使えないというケースも考えられますよね。
そんな「まさかの事態」を想定して民間の医療保険に加入している人は多いと思います。
そこで、医療保険で留意しておきたいのは「契約内容のみの支払い」となる点でしょう。
入院・手術の保障であれば、退院後の通院で費用がいくらかかったとしても、支払われるのは「入院・手術分のみ」です。また給付対象となる疾患・手術などは保険商品によって異なります。
入院するとその期間の食費、身の回り品の費用、よく耳にする「差額ベッド代」など、諸費用は健康保険が使えず、全額自己負担となります。
収入面の不安が少なく、家族などの支えが確実だという人もいれば、一家の大黒柱である場合などは、仕事や収入への影響に不安を感じる人もいるでしょう。
これらをリスクと想定して、備えていくかどうかは、個人の判断次第です。人により、医療保険があった方が安心だという面もあるといえます。
ただし、医療保険にも保障に限界があります。入院日額5,000円の保険契約の場合、毎月数千円の保険料を何年も払い続けたとしても、7日間の入院であれば給付金は3万5,000円です。(保険によっては5日以上で一定額を給付するタイプの保険などもあります。)