2019年に大きな話題となった「老後2000万円問題」。この問題は金融庁の「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」」で老後資金として「収入と支出の差である不足額約5万円が毎月発生する場合には、20 年で約 1,300 万円、30 年で約 2,000 万円の取崩しが必要になる」と指摘されたのが事の発端です。

老後2000万問題で資産形成に関心を持つ人も増えたのではないでしょうか。ただ、新型コロナウイルスによる「コロナショック」株式投資というと「損するのが怖い」「リスクが高い」と感じる人もいるでしょう。この記事では、株式市場の急変に惑わされることなく、どう対応すべきかを準備するために、投資初心者のための株式投資の仕組みとメリット・デメリットについて解説します。

株式投資とは

企業が資金を集める方法として「株式」の発行があります。企業は、新製品を開発するための資金や、工場を作ったり人を雇ったりするための資金が必要になります。

そのため、株式を発行して企業への出資者を募り、事業のための資金を集め、それを元手にして活動して利益をあげることを目的とした企業が「株式会社」なのです。

株式会社に資金をだした人を「株主」と呼び、その株主に発行されるのが「株式」。つまり、株式投資とは、その会社の「オーナー」になるということです。

トヨタ自動車やソニーなどの有名企業でも、数万円~数十万円の資金で誰でもオーナーになれるのです。ただし、あくまでも共同オーナーのひとりなので、その企業を好きにできるわけではありませんが、企業のオーナーになる対価として、議決権(株主総会で議決する権利)や配当金・株主優待などを受け取る権利を得ることができます。

株式投資のメリット

値上がり益が狙える

株価は毎日変動しています。株を買いたい人と売りたい人が価格と数量を提示し、折り合いがつけば売買が成立(約定)するのです。流通している株の数量は限られているので、買いたい人が多ければ株価は値上がりします。

自分が買った時よりも高い株価の時に株を売れば、その差額が利益です。この売却益を「キャピタルゲイン」と呼びます。

たとえば、1,000円で100株買った企業の株価が1,200円になった場合、キャピタルゲインは2万円になります。具体的な計算式は、以下の通りです。

購入時

1,000円×100株=10万円

売却時

1,200円×100株=12万円

キャピタルゲイン(値上がり益)

12万円-10万円=2万円

キャピタルゲインは、大きな利益を狙うことができます。新興市場の株を購入すれば、短期間で2~3倍になる銘柄も珍しくありません。ただし、大きな利益を狙える反面、損失になる(キャピタルロス)可能性もあります。きちんと業績や株価水準を見極めて投資することが大切です。

配当や株主優待を受け取れる

配当金とは

配当金とは、会社が稼いだ利益の一部を株主へ支払うものです。会社の稼いだ利益は、すべてオーナーである株主のものです。ただ、実際は利益の大部分を翌年以降さらに利益を稼ぐための事業資金に回します。

投資した資金の何%を配当としてもらえるかは、配当利回りを計算すればわかります。配当利回りの計算式は、以下の通りです。

配当利回り(%)=1株あたりの年間配当金額÷1株購入価額×100

たとえば、1,000円で購入した株式の配当が年間30円だった場合、

配当利回り(%)=30円÷1,000円×100=3%

となります。日本経済新聞によれば、2020年3月18日時点における東証1部の予想配当利回りは2.63%です。一般に、3%以上を「高配当利回り銘柄」といいます。高配当利回り銘柄は、ネット証券などでも検索できますが、ヤフーファイナンスなどでも確認できます。

株主優待とは

株主優待とは、企業から株主へのプレゼント。全上場企業の約37%の1,521社(2019年5月時点:野村インベスター・リレーションズ調べ)が実施していて、個人株主を増やすために優待制度を新設する企業も増えています。

株主優待の内容は、自社製品や自社サービスの割引券や優待券がメインですが、図書カードやお米、地域の特産品を配る会社もあります。

株主優待をもらうには、特定の日(権利付き最終日)に株主であることが条件で、年に1度か2度、郵送で送られてきます。単元株(100)株保有していれば、株主優待をもらえる企業が多いですが、何株持っているかによって優待内容が変わる企業もあります。

株式投資のデメリット

損失がでる場合がある

株式投資は、預金などと違って元本が保証されていません。株価が値下がりして損失がでる恐れがあるのです。また、企業が破綻した場合は、投資資金を失う可能性もあります。ですから、1つの銘柄に集中投資するのは危険です。とくに信用取引(証券会社からお金や株を借りて行う取引)などで自己資金を超える投資をすると、思わぬ損失を被る恐れもあります。

また業績が悪いと配当金が減ったり、株主優待が変更・廃止されたりすることもあります。

一般的には、1銘柄あたりの上限を自己資金の20%程度にするのが望ましいとされています。複数の銘柄に分散投資して、リスクを抑えるようにしましょう。

流動性リスク

銘柄によっては、買いたいときに買えない、売りたいときに売れないといった流動性リスクもあります。また、外国株に投資する場合は、その国のカントリーリスクや為替変動リスクにも注意しなければいけません。

まとめにかえて

今回は、株式投資の仕組みとメリット・デメリットについて解説しました。株式投資は値上がり益が狙えることや、配当や株主優待などを受け取れるというメリットがあります。うまく運用すれば、資産を大きく増やすことも可能です。

しかし、株式投資にはリスクもあります。企業の業績が悪化したり、経済状況が悪くなったりすると、株価が下がって損失がでる可能性もあるのです。ですから、1銘柄に集中投資するのではなく、複数の銘柄に分散投資するようにしましょう。

LIMO編集部