こうした旧態依然とした意識や環境には驚かざるをえませんが、さまざまな職場で女性が働きながら子育てすることに対する理解不足や、女性軽視の風土が残っているようです。

おわりに

1985年に制定された男女雇用機会均等法(1997年・2006年改正)では、募集・採用や配置・昇進・退職等における差別禁止や、間接差別の禁止、婚姻・妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止を定めています。

しかし、そこには適用範囲の狭さや実効性の弱さといった問題もあるとも言われています。また、上述のエピソードのように、社会の中では男女ともに女性が働くことへの差別的意識が残っているという現実もあります。

女性の活躍では国際的な評価が低い日本。女性が働きやすい環境の整備にはまだまだ時間がかかりそうです。給料やキャリアアップの機会における格差、出産・育児における女性への負担の偏りなど、解決が急務な課題は数多くあると言えるでしょう。

【参考資料】
グローバル・ジェンダー・ギャップ指数 2020(Global Gender Gap Report 2020)」World Economic Forum
働き方の多様性に関する意識調査」(The Dream Collective Global Pty Ltd)
平成30年分民間給与実態統計調査結果について」(国税庁)
雇用差別禁止法に対する法的アプローチの変遷と課題」(福島大学・長谷川珠子、独立行政法人経済産業研究所)

LIMO編集部